2020年から始まった新型コロナウイルスは、2021年になってもその勢いは衰えることがなく、英国、ブラジル、南アフリカから始まった変異種株の流行とともに、2021年3月5日から日本へ入国する条件が強化されました。具体的には、3泊4日のホテルでの強制隔離の開始です。海外生活をする私はこの時期に一時帰国をしましたが、出発前に
「3日間の完全隔離とはどんな生活なんだろうか。準備するものは何が必要か」
ならびに
「書類の手続きなど、何をしなければいけないのか」
などいろいろ不安がありました。その体験をレポートしたいと思います。
「隔離体験記」ヨーロッパの国を中心に2021年3月5日から日本入国者に3日間の完全隔離
ヨーロッパを中心に2020年末から変異種が広まった国々からの入国制限が強化されました。具体的には、
- 3月5日まで:14日間の自主隔離(ホテルか自宅)不要不急の外出はできない。公共交通機関は使えない。
- 3月5日から:3日間の国が指定するホテルで完全隔離(部屋から1歩も出れない)+11日間の自主隔離。公共交通機関は使えないのは同じ。
となり、日本での3日間の完全隔離の体験者が少なかったために、事前に準備した方が良いことなどの情報があまりありませんでした。正直3日間ホテルでの隔離暮らしをしてみて、かなりリラックスできたというのが実情です。なにより空港の職員の方々、バスの方々、ホテルの方々が、親身に対応していただけたのが大変良かったですし、深くお礼を言いたいです。私達は陰性証明の元、入国しているとはいえ、言い換えれば変異種株の保持の可能性の高い人達であり、接するにも気苦労が絶えなかったと思います。ありがとうございました。
「隔離体験記」帰国時の3日間の隔離のために海外を出国する前に準備した方が良いことは?
通常の日本への帰国に加えて、2021年3月現在に必要とされることと 準備をしておいた方が良いことを整理しました。
- PCR検査の陰性証明の紙:英文と日本語の指定フォーマットの両方の印刷した紙が必要です。空港でスマホの画面を最初見せましたがだめでした。英文は出国時のチェックイン時に、日本語のフォーマットは日本入国時に提出しました。
- 「質問票WEB」の登録:飛行機から下りてすぐのチェック場で、「質問票WEB」にアクセスして登録が必要です。できれば出国の飛行機に乗る時にやっておきたいですが、できない時は日本入国時の最初のゲート前でもできます。10分くらい入力に時間がかかります。最後にQRコードが出てきます。それが水戸黄門の印籠のように その後のゲート通過のチェックになります。
- SKYPEの登録:スマホにSKYPEのアプリを入れておいてください。登録に使うメールアドレスは、今回の登録に使うメールアドレスと同じ物を使ってください。当日ゲートチェックでメールアドレスからTV電話ができるかの確認まで行います。代わりにLINEの登録チェックはありませんでした。
- 3日間の隔離中の食料:もちろんホテルからは、3食のお弁当と3本のお水が毎日支給されます。またホテルには、ポットとインスタントのコーヒーや顆粒のお茶もセットされております。これで十分といえば十分ですが、私は紅茶のティーバックやお菓子(プリングルスなど)を持ち込みました。気分的に少し癒されました。
- ファイルホルダー: 羽田空港到着時にたくさんの書類があります。ビニールのファイルフォルダーがあると便利です。私は持っていたので良かったのですが、無い方は紙を手持ちしていて、なくしそうでした。
「隔離体験記」羽田空港に到着すると、いくつものゲートを通過する。
日本行きの飛行機に乗ると、CAさんから書類の束を手渡されます。ちなみにCAさんは乗客の人数とそれほど変わらない人数でした。その書類を離陸前に記載しました。その際メールアドレスはスマホのメールに統一しておいた方がその後なにかと便利です。
羽田空港に到着すると、係員の指示まで待機となります。その後10分位したら、指示に従いチェックゲートに向かいました。その間にまずはWIFIの登録です。羽田空港には無料のWIFIがありますのでまずはいの1番スマホをインターネットにつなげました。結果的に飛行機降りてからバスに乗るまで5時間かかりましたのでスマホの充電もぎりぎりです。飛行機の中でのフル充電もしくはバッテリーの準備はマストです。
いくつかゲートを通過すると、書類の確認とともに「質問WEB」の登録の確認があります。そこで登録の最後に出てくるQRコードを見せて通過となります。私は、ゲートの前でトイレに行き日本茶のペットボトルを2本購入しました。結果的にはこれがとてもあとで役立ちました。私は変異種流行の国からの帰国でしたので、わかりやすいように緑の札を付けるよう指示を受けました。
唾液を使ったPCR検査を過ぎると、スマホのアプリ登録確認になります。GOOGLEの位置状況の設定の確認、SKYPEのアプリの登録の確認、その登録しているメールアドレスを使ってビデオ通信の確認まで行います。
PCR検査結果をもらってからは、検疫検査、パスポートコントロール、荷物受け取り、税関検査といつものチェックポイントを通ります。荷物受け取り以降はカートも使えます。PCR検査以降は、引率の人についていくイメージです。いつも笑顔で対応してくれました。本当に感謝です。
出国して人数が揃うと皆でバスに乗りました。バスを待つ前トイレに行けます。ここまで飛行機降りて既に5時間が経過してました。
「隔離体験記」羽田から隔離するホテルに向かうバスの中から桜を見る。
バスに1時間ほど乗り、両国駅前にあるアパホテルに到着しました。成田の隔離ホテルの体験者は、ビニールで覆われたバスに乗って成田東横インに宿泊とブログに書かれておりましたが、バスはいたって普通でWIFIも充電もできました。バスの中から見る久しぶりの日本は、桜が咲きそして歩行している人がマスクはしているものの普通に並んで歩いて、2M開けて歩くなどしていない、コロナ前と同じ日本でした。「ああ、ヨーロッパと比べればコロナ前の生活がここにはある」と深く思ったのが実感です。
ホテルで手続きをした後、部屋番号とID番号、カードキーに体温計を渡され、毎朝の体温の報告が求められます。その後のポイントを整理してみました。
- 部屋に一度入ると4日間出れない: ドアを開ける時は、お弁当をもらう時とお弁当のごみを出す時。それから4日目にPCR検査の容器をもらう時と提出する時。案内放送が流れたときだけドアを開けることができました。ドアを開ける時もマスクを付けることを求められました。
- お弁当とお水は3食:おいしいお弁当を毎日3食頂きました。前の人の体験記ではお弁当が冷たいという意見もありましたが、そんなに冷たくはなかったです。お弁当の支給は、8時、12時、18時にありました。
- 体温の報告:ホテルと厚生労働省への報告の2つあります。ホテルはチェックイン時に登録した画面に毎朝8時に入力します。厚生労働省は、メールで2日目に案内が来て、毎日メールに沿って11時に入力します。
- 洗濯:ホテルに頼めばコインランドリーが使えるようですが、ホテルの人が立ちあいで行うようです。私は部屋の中はパジャマでしたし、洗濯したのはパンツだけでしたのでお風呂で洗いました。
- 持って行った方が良いもの:部屋の中では禁煙禁酒ですが、荷物検査はなかったのでホテル出てからのお土産用の持ち込みはできます。お弁当とお水でも十分ですが、ペットボトルの飲料水、ポテトチップやカップラーメンなどがあると、ちょっと豊かな隔離生活になります。
「隔離体験記」ホテルから羽田空港へ残り11日間の自主隔離へ
4日目の朝に「15時までにパッキングを終えるよう」に電話があり、16時のバスで羽田空港第3ターミナルへ移動しました。実際には1時間半程送れました。あとホテルでの解散はできません。羽田空港に着いてからは自主隔離で公共交通機関は使えないですが、刑務所からシャバに出て解放された気分です。これからも11日間、不要不急の外出はできず自宅での自主隔離となります。
3日間の完全隔離は、思っていたほど窮屈な生活では無かったです。なにより久しぶりに日本のテレビを見れたのが大きかったと思います。アパホテルのテレビは画面が大きいですし見応えがあります。日本の朝のニュースを見ると司会者はみな立って話しているんだなと変なことに関心します。またホテルの部屋はあまり広くありませんが、アパホテルはベットの下にスーツケースを置けるので部屋の広さはKEEPできました。
そしてここまで国が費用を負担して対応してくれていることに感謝してますし、昨年からこれくらいの完全隔離をしておけば水際対策がもっと功を奏していたのではないかとも思います。そう考えるとこのようなシステムはまだ当分続くというより続けた方が良いと思いました。