シニアサラリーマン:海外赴任中の現地診療で薬の確保は可能か?

海外生活雑記

こんにちは。定年までカウントダウン海外赴任、単身赴任中のイゴールです。この年になると好きな物を好きなだけ飲んで食べて、運動は嫌いとなり、長年の不摂生がたたって、高血圧、高コレステロール、高尿酸値、高血糖値と4高になる人がいると思います。そういう私も御多分に漏れず、毎日の薬の服用が朝のルーティーンとなっております。そんな私がコロナ禍の中、日本からもらった薬は在庫が切れてしまい、家族に頼んで送ってもらった薬は、現地の郵便局で小包み停滞・返却となり、現地のクリニックに行くことになりました。海外のクリニックは?海外の血液検査は?海外の薬に買い方は?など不安の方も多いかと思います。結論は、ちょっと手間がかかりますが、普通に診察・血液検査・薬の購入まで進めます。自分の体験を整理してみました。

海外での不安はやはり病気です。持病があるので薬が切れたら困るし、急な病気はどうしたらいいのか不安です。

海外の大都市には日本人医師もいる。

海外暮らしの心配の一つは、病気になったらどうするばいいかです。しかも持病がある人は毎日薬を飲まなければいけないし、薬は日本で調達となると頻繁に一時帰国をしなければいけません。それもあまり現実的な解ではないです。ロンドンやパリの大都市には日本人のお医者さんもいらっしゃいます。お金はかかりますが保険に入っていれば、そこでカバーできる場合が多いです。また日本出国90日以内ならゴールドのクレジットカードの保証ができることもあります。ただ日本の時に発生した持病のある人は、保険が効かないため領収書を翻訳して日本に一時帰国した際に健康保険組合へ提出すると、立て替え払いの内何割かは戻ってきます。やはり大都市での生活はハードルが下がります。

やっぱり海外保険は大事だな。

ロシアは、処方箋がなくても買える薬が多い。

ロシアの医療はあまり高いとは言えません。お医者さんのお給料もあまり高くないですし、そもそも社会的な地位が低いです。そんな中でもモスクワやサンクトペテルブルグには外国人向けの病院があり、そういうところは近代的な設備を備わっています。私も外国人向けの病院に何度か通いましたが、おもしろいことに英語が話せないドクターもいて、別なドクターが隣で通訳してくれました。そして最後にそこの病院で薬も出してくれたのですが、「アプテーカ(薬局)の方が安いよ」ということで最低限の薬を出してもらい、あとは処方箋無しでその薬の箱をもって「これと同じ薬を下さい」といって、毎月購入しました。そうすれば、語学力無しでもなんとなります。

箱を取っておいて見せればいいのね。

スペインのクリニックでは、ドクターもラテンのノリ。

スペインでも持病の4高の薬をもらうために、診察、血液検査、3日後処方箋作成のための診察、薬局で薬の購入という流れを取りました。ちょうどコロナ禍で在宅勤務が続く中、日本から持ってきた薬の在庫が底をつき、薬を飲まない期間が1か月ほどありました。その間は、薬代わりに「16時間ダイエット(毎日16時間何も食べない)」を続けてました。そのおかげで、体重も減り血糖値も標準に下がりました。お医者さんは血液検査結果をパッと見て、「コレステロールの薬だけ飲んどくか」と、ものの5分で診察は終わりました。さすがラテンのノリです。

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ドイツのドクターは、チェックが細かいし、話し好き

ドイツでもクリニックに行って、血液検査をして薬を処方してもらいました。さすが医療の国だけあって、非常に親身になって細かくデーターを確認します。病院の紹介は、自分がはいっている海外保険会社に電話して、住んでいるところの近くのアポまでお願いしました。ドクターは、今までの血液検査の結果や飲んでいた薬を一つずつ質問します。同時にアレルギーや親・兄弟の病気についても聞いてきます。食生活、ワイン・ビールなどのアルコールの種類などもです。そしてやっと血液検査のための採血に移れるかと思ったところ、「採血・血液検査は電車で10分ほど行ったところにある。住所はここ。アポはいらない。その結果を持ってまた来てください。」と合理的なのか分業なのかわからないが、そのクリニックでは採血はできませんでした。これは私にとって初めてのケースでした。

血液検査の結果はメールで送られてくる。

ドクターが書いた紙をもって電車に乗って血液検査場へ向かい、アポなしでもすぐやってくれました。私は血管が見えにくいので、実は日本でも何度も失敗することが多くそのたびに、「なんでもどうぞ」と答えるようにしてます。若い女医が刺した注射針は、運よく1発で血が出ました。

「すばらしいですね。1度で血が出ましたよ。」

「いやいや、血の出が悪い。」

「いいじゃないですか。ゆっくりやっていきましょうよ。」

「いや、待ってられないわ。もう1か所刺していい?」

若い女医に頼まれていやと言えるおじさんはいません。結局2か所から採血を取ることになりました。その日の夕方結果がメールで送られてきました。16時間ダイエットの効果からか、前より良い結果でした。

採血一つとっても日本と外国では違うんですね。

薬局は自動化が進む。量は期間ではなく、箱単位。

検査結果を見たドクターは、細かく過去の血液検査との比較をして見比べます。結局1時間の問診の末に、血圧・コレステロール・尿酸値を下げる薬を処方していただいた。次は2か月後ね。予約してください。と最後まで固い仕事ぶりです。

ところで、何か月分処方してくれるのかと聞くと、「うーん。期間じゃなくて箱に何錠はいっているかだな」という回答。そう日本のように箱からあけて、錠剤のシートをはさみで切って、数量と服用日数をあわせたりはしない。合理的といえば合理的だが。

薬局に処方箋を持っていくと、薬剤師はピッピッと機械を操作します。すると自動で薬が倉庫から搬出されてきます。すごい! 1箱が100錠だから、3か月強分になります。写真に書かれた「1-0-0」は朝に1錠飲んでくださいという意味で、外国人にもわかりやすくとてもシンプルです。日本の薬剤師の役割も数量管理じゃなくてもっと 飲み合わせや副作用などの患者との医療業務にもうちょっとシフトすべきだよなと感じました。

やはり日本の医療はすばらしい。

海外でのクリニックでの診断は、予約・診断・血液検査・診断・処方・薬の購入という流れとなり、期間の問題として1日では終わらないとか、診療の場所と採血の場所が違ってめんどくさいとかの課題はあるものの、致命的な障害はありません。なので自分の健康のため、きちんと薬を処方してもらいましょう。料金はドイツの例で、診察・採血・検査・処方箋・薬局での薬の購入全部で3万円近くしました。日本に一時帰国した時に健康保険組合に申請する予定です。

私はいつもは日本の大病院で定期的に診断を受けています。そこでは血液検査、診察、処方、薬局と1か所で数時間で終了します。もちろん診察前まで数時間待つことも多く、いらいらもしますが分業が進んだ海外と比べると、やはり患者の立場になってシステムが考えられているなと思います。あとは、処方する薬が箱単位になって自動化が進めばいいなと思いを新たにしました。

めんどくさがらずにきちんと病院に行って薬を処方してもらおう。家族のためもあるし何より自分のために。

プロフィール
この記事を書いた人
イゴール

会社生活30年を過ぎたサラリーマン。2020年からヨーロッパ駐在中でスペインードイツースペインと引っ越し2021年末帰国。人生の後半から日本とロシアを中心とした海外生活を半分半分。次のキャリアで何をしたいか、仕事を続けながら現在進行形で自分探しを模索中。その活動の悩みや取り組みをぶろぐに残す。

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