欧州日本ネットワーク(ENJA)オンラインオランダ大会参加体験記

50代の自分探し

定年後を見据えて、自分は何をしたいのか「自分探し」を続けているイゴールです。

今年ボランティアで「六月の村」というスタートアップの会社の運営をお手伝いするようになってから、まわりの方々のサポートによりお陰様で私自身のZoomのスキルが上がってきました。そして、この度「六月の村」メンバーとして、「欧州日本ネットワーク(ENJA)」のオンラインでの年次大会にZOOMの裏方のお手伝いすることになりました。ENJAはヨーロッパで暮らす日本人の方々のネットワーク組織であり共通の課題を皆で理解し解決していくもので、今回の大会で10回目となります。毎年場所を変えておこなれており今年はオランダで開催されました。

Just a moment...

裏方としての体験記というより、登壇者、運営者の方々の熱い思いを真正面に受けましたのでそれを整理する意味も込めブログに残すことにしました。

欧州日本ネットワークENJAとは、

欧州ネットワークENJA(European Network Japan Associations)は、欧州で暮らす日本人の情報交換、交流を目的に2005年にデンマークコペンハーゲンで第1回大会が開催されたとのことです。(2017年作成 欧州日本ネットワークより)

欧州と一口で言っても日本からみるとひとくくりに思われる人も多いかもしれませんが、各国文化も言語も歴史的背景も異なります。つい数十年前までいがみあって戦争をしていた国同士です。日本でいうと、台湾・韓国・中国・ベトナム・タイ・フィリピン・インドネシアあたりをひとくくりにするようなもので、そう表現すれば国同士のアイデンティーが違うのがお分かりになると思います。

そういう背景の中、欧州内で暮らす日本を母国とする人達が課題を共有し、解決していこうということで2年ごとに開催場所を変えつつ運営が続けられ、今回の第10回オランダ大会に至ったということのようです。

欧州日本ネットワークENJAが初めて取り組んだオンラインでの大会

その2年に1度実施されるENJA大会もコロナウイルスの影響をダイレクトに受け、今まで続けてきた

「開催地に集まって皆で発表を聞いて話し合いをする」

というスタイルの変更を余儀なくされました。

オンラインでの運営経験がない中、ENJAに所属し「六月の村」にも参画している女性から、

「六月の村でオンラインのテクニカルサポートできないか」

という依頼が来た流れで、「六月の村」のメンバー4人で協力してサポートすることになりました。

ZOOMで参加するだけでも結構ハードルが高いですが、これがホストとして運営となりますとさらにハードルが2段階あがります。そのひとつひとつを運営側のシニア層の方々は、毎週の確認会でZOOMのテクニカル技術を吸収し、自分達でできるようにと取り組んでまいりました。中には夜遅くまで息子さんと格闘しながらテクニカルな課題を解決していかれた方もおりました。その熱意には本当に頭が下がります。登壇者の方々だけでなく運営側の彼らの努力の結果で、大会は無事成功裏に終えることができました。

私がENJAオランダ大会での印象に残ったプレゼンテーション1:補習校教育とは

第10回ENJAオランダ大会は、50名を超える方々が欧州内の様々な国から参加されました。お昼休憩をはさみ約5時間かけて論議された内容は、要約すると次の2点でした。

  1. 欧州で暮らす子女への日本語教育
  2. 欧州で暮らすシニア層への医療、ケアハウス

日本語教育の中で特に印象的だったのは、山本先生が発表された

「日本語補習校の強み」

でその発表の熱量に圧倒されました。

日本語補習校というのは、海外で平日現地校もしくはインターナショナルスクールに通う日本人の親を持つ子供が、日本語や日本教育を学ぶために主に土曜日に通う学校のことです。

ほとんどの国の首都には日本人学校があります。そこでは日本と基本同じカリキュラムを組み、日本の先生のプロが教えます。方や日本語補習校は、平日現地校などに通う生徒を集め、先生を募集し、親と先生がカリキュラムを作っていくような手作り感に満ちた学校が多いです。その実態は国によりばらばらでその中身を全部網羅している人もほとんどいないと思います。

実は自分の子供たちも海外の日本語補習校で何年もお世話になりました。私の仕事が製造業ということで赴任したところが首都ではなかったため、日本人学校の選択肢はありませんでした。しかし自分の経験上、現地校+補習校の組み合わせが子供の育成上最高の組み合わせとずっと思ってました。両方の良いところを学び、補習校では足りない日本教育のマイナス面を補って余りあるという考えによります。

それを山本先生は、「補習校の強み」という表現で論理的に説明していました。私が持っていた感覚的なものをきちんと言葉で表現されていたことに強く引かれました。一見日陰の印象の強い「補習校」に光をあてた画期的な分析だと思います。

山本先生は子育てをしながら、日本語幼児教育のプロジェクトにも参加され、本も出版されています。サラリーマン生活の合間にたまにボランティアやこのようなブログ書いてヒーヒー言っているよう私からみると脱帽です。

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私がENJAオランダ大会での印象に残ったプレゼンテーション2:英国日本人シニア向けケアハウス構想

もうひとつ印象的だったのが、ヨーロッパで暮らす日本人の老後の問題で、ケアハウスを作ろうという発表がデンマーク、オランダ、英国からあったことです。ヨーロッパで暮らす日本人は、第2、第3外国語として英語や現地語を学び生活でも使用しています。しかし年を取るとともに、痴ほう等も発生してくると母国語の日本語をメインで使いたいという傾向があるとの発表もありました。

そこで考えられたのは、

  • 日本語で話せる
  • 日本食を食べれる
  • 日本式のケアを受けられる

ケアハウスを作ろうという流れでした。英国の飯塚さんは、上記の発想に基づきなんとか資金面のやりくりをして実現させたいと強い思いを説明されていました。私は今後飯塚さんの心意気を吸収して真似をして生きていくつもりです。

日本から見ると海外で暮らしているんだから、日本文化から距離を置くような不便さは受け入れたらどうかと思うかもしれません。しかし生まれ育った国の言葉、食事、文化は、いくつになっても忘れられるようなものではありません。それに加えて日本が持つ生活習慣は海外の国々と比べても、とても質の高いものなのです。 人生の後半で日本式のサービスを受けたいという思いは、強く私の心に響きこのプロジェクトの成功を祈らざるを得ませんでした。

欧州日本ネットワークENJAの熱量あふれる運営委員メンバーの方々

オランダ大会が終わり登壇者の方にも運営委員の方にもやり遂げたという達成感が満ち溢れていました。やはり何かひとつの目標に向かって皆で達成するのは、部活や文化祭のようにいくつになっても気持ちの良いものです。これも年をとってもパソコンやZOOMを使うオンライン運営という新しい事にチャレンジし続ける

「フロンティアスピリット」

に満ちた海外在住日本人の方々の熱い思いがあってこそなのかなと思いました。

そしてそれは、六月の村が目指す 「シニアとともに」を具現化した大会だったようにも思われました。

夜になってもSNSで運営委員の皆さまのご自宅から写真が送られてきます。ヨーロッパでは貴重な日本酒の一升瓶の写真が何枚も送られてきました。私は日本酒が切れていたのでしょうがなく スペインワインを一人でいただきました。なかなか平日の在宅勤務では味わえない達成感に満ちた仕事終わりのワインは、この上なくおいしかったです。

プロフィール
この記事を書いた人
イゴール

会社生活30年を過ぎたサラリーマン。2020年からヨーロッパ駐在中でスペインードイツースペインと引っ越し2021年末帰国。人生の後半から日本とロシアを中心とした海外生活を半分半分。次のキャリアで何をしたいか、仕事を続けながら現在進行形で自分探しを模索中。その活動の悩みや取り組みをぶろぐに残す。

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